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ED:30〜40代、10年で4倍に増加 患者数は糖尿病に匹敵
 ◇原因は大抵がストレス パートナーの理解が重要、多くは半年程度で回復
 バイアグラの登場によって、治療が容易になったとされるED(勃起(ぼっき)障害)。しかし、患者数は糖尿病に匹敵するといわれ、子どもを希望する30〜40代の患者の悩みは深刻だ。東邦大学医学部泌尿器科学講座の永尾光一講師に、30〜40代のED治療の現状とポイントについて聞いた。【中村美奈子】
 EDとは、医学的に「勃起が起きなかったり勃起が維持できないために、満足に性交が行えない状態」を指す。
 30代以上を対象に実施した日本性科学情報センターの全国調査から推計すると、国内の患者数は87年の300万人から、98年には1130万人に増えた。内訳は、ときどき性交ができなくなる「中等度ED」が870万人、常にできない「完全ED」が260万人。10年余りで約4倍に増えた原因は、若い世代のストレス増などが考えられるという。99〜04年の6年間で、東邦大学大森病院リプロダクションセンターを受診した患者は30代が最も多く、患者全体の33%を占め、次が40代で20%。患者全体の4割が子どもを希望している。
 ■不妊治療も重圧に
 30〜40代のEDの原因はほとんどがストレスで、身体の機能に問題がある人は1割程度。症状は▽マスターベーションならできるが、いざ性交となると興奮しない▽過去に勃起しなかったことがあり、またできなかったらどうしようという失敗不安に陥っている−−などだ。不妊治療で「排卵日だからセックスを」というのが重圧になり、EDになる人も結構いる。
 ■精子への影響なし
 受診すると、医師がEDの起きた時期や、既往歴などについて問診する。ホルモンバランスを見る血液検査用の採血、うつ傾向があるかどうか見る心理テストなどを経て、薬が処方される。
 治療薬であるバイアグラやレビトラの副作用はほてりが強くなる程度で、精子への影響などはない。性行為の1時間前に服用するが、多少なりとも性的興奮がないと効かない。飲酒した場合などは効果が変化するため、安定した効果が得られるようになるには7、8回かかるという。
 治療のポイントは、パートナー同士がお互いを理解し、EDという病気をよく知ることだ。男性が勃起しなくても女性はなじったりせず、相手の不安を取り除くように心がける。薬はあくまでもパートナーとのコミュニケーションを回復させるものだ。大体の人が半年で薬なしでも勃起可能になり、服用をやめられるようになるという。「EDはセックスをしながらでしか治せない」(永尾さん)ため、性交回数の少ない人は長くかかり、多い人ほど早く治る。
 EDの治療は保険が利かないため、全額自己負担になる。目安としては、検査に1回1万5000〜2万円程度、薬代は1錠千数百円かかる。薬の処方せん料は1400〜数千円程度だ。
 ◇男女間に意識の差
 日本では性についてオープンに話しにくい雰囲気があり、病院に行くだけでも一大決心を要する人が多い。永尾さんは「男性自身はマスターベーションができるのでEDについての問題意識が低いが、パートナーの女性は、セックスを求められないことについて独りで悩むことが多い。男性は、男女間に意識のギャップがあることも知り、まず受診してほしい」と話している。
毎日新聞 2005年11月18日 東京朝刊


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